パウダーライディングについて語ろう【保存版】

すっかりブログの方ではスノーボードに関することを書いていませんけど、シーズン真っただ中ということでたまにはスノーボードネタを。

今年は久しぶりに雪が多いシーズンとなり、年末年始あたりも沢山の人が滑りに行き、「パウダー滑ってきた」なんて話もよく聞きました。

おそらくこの先もしばらくパウダーを滑れる機会があると思いますので、今回は「パウダーライディングについて語ろう」ということで、私が思うパウダーの滑り方やボードについて。

■シャルマン火打

まずその前に「私とパウダー」みたいなことで言うと。よくInstagramなんかを見てくれた人なんかに「無類のパウダー好き」なんて言われることがありますけど、確かに好きと言えば好きですけど、パウダーを求めてどこまでも行くとか、絶対パウダーじゃなきゃというほどではありません。

【Instagramアカウント】
https://www.instagram.com/takafumi_natori/

ただ、私はスノーボードメーカーの仕事をはじめる前は、新潟県のシャルマン火打というスキー場で6シーズン働いていました。

シャルマン火打

いまは「パウダー天国」みたいな感じで、雪が降れば沢山の人が集まる人気のゲレンデになっていますけど。私はこのスキー場がオープンした1998年から働いていて。ここは町営のスキー場としてスタートしたので、正直言って最初はやる気なかったんじゃないかと、、、
町の役場の方が入れ替わりで管理しているような感じで、宣伝みたいなことは全然していないし。

ということなので、とにかくお客さんはほとんどいなかった。そのおかげで、というのも何ですけど。私達従業員は毎日のように好きなだけ滑っていました。

とにかく沢山雪の降るスキー場だし、いまみたいに「雪不足」なんてのは無縁の時代でしたから。大げさじゃなく、1月・2月あたりは毎日パウダーだったんじゃないかと言うくらい。
それでいてお客さんはいないんだから、朝から晩までパウダーを滑ってもずーっとノートラックが続くみたいな感じ。

そうなると、さすがに毎日のようにパウダーばかり続くので、正直言ってあの頃はパウダー嫌いでしたね、(笑)

もういい加減にしてくれ!!

みたいな感じで、わざわざ休みの日に他のゲレンデに行って圧雪バーンを全ていたくらいです。
いまとなっては贅沢な話しですね。

ということなので、パウダーを滑っている経験はかなり多い方だと思います。

■苦肉の策

ではパウダーライディングについてなんですけど。おそらく、パウダーを滑ると言うと「セットバックする」と思っている方が多いんじゃないでしょうか?
ただこれはパウダーを滑るということに関しては向いていないんです。

ではなぜ「セットバックする」と言われているのか?

これはキャンバーボードでパウダーを滑るときの「苦肉の策」なんです。

いまでこそパウダーを滑るのに適したボードが沢山ありますけど。少し前まではキャンバーボードが主流だったため、ほとんどの人はキャンバーボードを使っていました。

キャンバーボードの場合はノーズの先端あたりまでアーチがかかっているので、柔らかいところを滑ろうとするとノーズが下方向に潜ってしまうので、よくパウダーなんかでノーズが刺さって転んでしまうなんてことがあると思います。

キャンバーだと前が沈む

それを回避するために、セットバックをしてテールを沈めて、ノーズを上げて滑るという方法なんですけど。ただテールを沈めてノーズを上げるということは、ソール面に雪がぶつかった状態で滑るということになり。ブレーキをかけながら滑ることになります。

ボードが立つと抵抗を受ける

なのでその状態でパウダーを滑っているとすぐに失速してしまい、パウダーにはまって動けない、なんて経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。

なのでセットバックして滑るというのは、キャンバーボードでパウダーを滑るときの苦肉の策だと覚えておいてください。

■アクセルキャンバー

最近は俗に言うパウダーボードなんて言われるものが増え。パウダーを滑るのに適したボードが沢山あります。

本当にパウダーだけのことを考えたら、キャンバーを逆ぞりさせたロッカーボードが適していると言えますが。完全にロッカーさせてしいまうと、圧雪バーンや硬いところを滑るときに引っかかりがなく難しいです。

そこで主流になっているのが、GENTEMstickでは「アクセルキャンバー」YONEXだと「フロートキャンバー」とか、他にも「Sロッカー」とか「パウダーキャンバー」なんて呼んでいるメーカーさんもありますけど。

特徴としては、テール方向にはキャンバーがあるけど、ノーズはロッカーしているというものです。

ノーズはロッカーしてる

このようなボードでパウダーを滑る場合のポイントは。
パウダーなど柔らかい雪の上を滑るときには前足に乗り。圧雪バーンを滑るときは少し重心を後ろにしてあげる、という感じです。

ようするに、柔らかい雪の上を滑るときはノーズ方向にロッカーがあるので浮力を得られることができます。
そして、圧雪バーンを滑るときは少し後ろに重心を移すと、テール
方向にはキャンバーがあるのでしっかりとエッジをグリップして滑ることができるということです。

そして、さきほど言ったようにテールを沈めてしまうと失速してしまうので。パウダーを滑るときはボードの前に乗ってテールは浮かせ、なるべくボードを斜面と並行にして前から落として行く。

斜面と並行に滑る

コツとしてはノーズが雪面から出過ぎないよう、刺さるか刺さらないかのギリギリを狙うこと。
そうすると抵抗を受けずに、ボードがストーーーン!と落ちて行くので、パウダーで失速せずに滑ることができるという感じです。

参考までにこちらをどうぞ。
ノーズが雪面から出るということはボードが立っているということになるので、ノーズが出過ぎないよう、雪面のギリギリを狙うとスピードに乗ってるベルことができます。
カメラの特性上、後ろに乗っているように見えますが、前足から踏み込んでいます。

 

■肝心なのはフラット

ただ最近は、先端が尖がってるとか、ボードが太いから、という感じで、なんとなくパウダー向きっぽい形をしていても、実際に滑ってみるとあまり浮力を感じられないものがあります。

そこで気にして欲しいのが「キャンバー形状」です。

たまにあるのが、見た目ノーズが長くでパウダーボードのような形をしているけど、実は普通のキャンバーというものもあります。イメージとしては、普通のキャンバーボードでノーズだけを長くしているという形のもの。

もちろんそういうボードが悪いと言いたいわけではなく。おそらくそのボードは完全にパウダー向きというよりかは、ある程度オールラウンドに使えて「パウダーも」行けるという感じに設計をしているのだと思います。

ただ、浮力を求める方にとっては物足りない、ということになってしまいます。

そこで私がおススメするのは、さきほど紹介した「アクセルキャンバー」や「フロートキャンバー」と言われるキャンバー形状なんですけど。
さらに注意してほしいのが、ノーズ方向にフラットがあるかどうかです。

ノーズ方向にフラットがあると、前足を踏み込んだとき、テコの原理のような感じで、ノーズが上がるんです。

ノーズが上がる

これがフラットが無く、キャンバーのアーチが雪面に落ちてすぐに反り上がっているとノーズが上がるというよりかは、キャンバーと同じように刺さりやすくなります。

 

■テールはしっかり

もう一つ私がパウダー向けのボードを選ぶポイントとしては、テールが細くないもの。
最近、パウダー向けとして発売しているボードで、テールを細くしているものも多いです。その場合はテールが沈みやすくノーズがささりにくくなるので、セットバックなどしなくても楽にパウダーが滑れるということにはなるんですけど。
さきほど「苦肉の策」と言ったのと同じで、テールを沈めてノーズを上げてしまうとスピードは出ません。

なので、スピードよりも楽にパウダーを滑りたいということであれば、そういうボードを選ぶといいです。

ただ、パウダーでもスピードを出して気持ちよく滑りたいということであれば、テールが細くなっていると沈みやすいので、あまりテールが細くなっていないものがいいです。

さきほどの動画で使用していたボードは、ノーズ幅に比べてテール幅をそれほど補足していません。

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■まとめ

ということで、ここまでの話を総合すると。

まずはキャンバー形状。
おススメはテール方向にはキャンバーがあり、前足の前にはフラット、そしてノーズはロッカーしているもの。

次に、テールが細くなっていないもの。

あくまでも私の好みです。

なので人によって好みも違うから、他のボードが悪いというわけではなく。とにかく、そのボードのコンセプトや形をよく判断して選んだ方がいいということです。

自分が何を求めているのかで選び方は変わってくるので、見た目だけで判断せず、細かいところまで見てあげましょう!

YouTubeでは様々なボードの形状についても多数の解説動画アップしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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