先日のDMMサロンアワード授賞式出席から改めてオンラインサロンというものに向き合うきっかけにもなりましたので。改めて私がオンラインサロンを立ち上げようと思った経緯やその気持ちをまとめておきます。
少々長いですがお付き合いください。
■経歴
ザックリと私のスノーボードに関する経歴を言うと。
高校生のときにはじめてスノーボードに出会い、高校卒業度は進学も就職もせずにフリーターのままスノーボードに明け暮れ。そして、20歳のときにそれまで続けていた仕事を辞めて雪山に行き。それから27歳までは冬はスキー場、夏場は主に肉体労働をメインにお金を貯め、そのお金で道具を買い、またスキー場で働くという生活を続けていました。
27歳(2004年)のときに偶然スノーボード業界の方との出会いをきっかけに、最初は雑用係のような形で仕事に関わるようになり。その後スノーボードメーカーで約5年間開発や営業を担当し。2010年に自信で手掛けるスノーボードブランドを立ち上げると同時に、スノーボードショップの経営をはじめる。
そして、2019年にスノーボードショップを閉店させ、スノーボードサロンFORWARD(オンラインサロン)の運営をはじめ。現在は、ブランド運営、サロン運営、他にもスノーボードに関わる仕事をしながら、スノーボード業界を盛り上げたいという気持ちで活動をしています。
■スノーボードバブル
スノーボード業界に入った2004年頃がどんな状況だったかと言うと。
日本経済的に「バブル」と言われる時代は、1980年代後半から1990年初頭までと言われていますが。その後、俗に言う「スノーボードバブル」という時代が1990年代初頭からあり。爆発的なスノーボードブームが起きると、それによってスノーボードショップは乱立し、大金を稼いだ人も多くいました。
当時の人に聞くとスノーボードショップは「八百屋みたいだった」と表現する人もいて。ようするに、接客なんかしなくてもお客さんは勝手にボードやバインディングを持ってレジに並ぶという。さらには現金が主流だったので、レジにお金が入りきらず、レジの下に一斗缶を置いて金を詰めながらやっていたなど、今じゃ考えられないような話を聞きました。
しかし、長野オリンピックが開催された1998年をピークにブームは下降の一途をたどり。日本経済の低迷と共にスノーボード業界も落ち込みはじめている頃。
私はそのスノーボードバブル(景気の良い時代)を経験していなかったので、第三者のような気持でこの業界で働く人を見ていると。年々業績が落ちているにも関わらず「なぜこんなにみんな余裕なんだろう?」というのが、最初に感じた違和感でした。
中には、「あのブームがまた来る」とか「いまが悪いだけ」などと言い、何の改善もしないまま事業をしている人も多く。実際その頃は倒産が続き、破産宣告をして逃げるように消えていった人もいて、私もお店から商品を回収するために走ったこともありました。
そうなれば当然スノーボードをする人もどんどん減り。インターネットの台頭によりネットでお買い物をするのが当たり前になると、さらにお店は厳しくなる。それに順応したお店はなんとか持ちこたえたけど、そうでないお店はどんどん消えていくことに。
■コミュニティの場があった
そんな中、スノーボードメーカーの仕事を辞めて、なぜスノーボードショップを経営するという判断をしたのか?
私もできればスノーボードの業界で働きたい。
それであれば「スノーボード業界を盛り上げなくてはいけない」
当然ながら答えはこれしかないですよね。
では自分には何ができるかと考えたとき、「コミュニティを作るべき」だと思ったわけです。
このときに「コミュニティ」という言葉が自分の中にあったかは覚えていませんが、とにかくスノーボードを楽しむ仲間を集めることが重要だと思ったのは間違いありません。
そうなると、スノーボードメーカーの仕事をしながらでは難しく、直接ユーザーさん達と交流のできるショップの方が良いという判断です。
それこそ昔はスノーボードショップがコミュニティの場であり。そこにスノーボードが好きな人が集まり、初心者はルールやマナーを教えてもらい、上手な人に滑りを教えてもらう。そして仲間が集まることで、1人では経験できないようなことが経験できたりするのが楽しかったはず。
お金稼ぎのためだけにスノーボードショップをやっていた人もいたかもしれないけど、少なからずスノーボードバブルの時代にはそういったお店が沢山あったから多くの人が楽しんでいたというのは間違いないと思う。
■スマートフォン革命
「いまさらスノーボードショップ?」なんていう逆境の中でしたけど、私はスノーボードショップに可能性を感じていて。そんなときに「お店を辞めたいから引き継いでくれないか」という話しがあったこともあり。2010年にそれまであったスノーボードショップを会社ごと引き継ぐという形で経営をはじめることに。
ただ、スノーボードショップだけで続けるのは厳しいと分かっていたから、自分のブランドを持つことにしたというのもあります。(他にも理由はあります)
しかし、私がお店の経営をはじめた頃にはインターネットだけでなく、2007年に発売されたiPhoneをきっかけに「スマートフォン革命」と言われる時代が到来し。2012~2013年頃にはほとんどの人の手に渡ると、誰でもかポケットにパソコンを携帯している状態になり。お買い物はいつでもどこにいても簡単にできるし、当たり前のようにSNSを利用するように。
そうするとコミュニティの場はスマートフォンの中に移動した。
お店をはじめてからすぐにこの流れには逆らえないと感じるほどの時代になり。早くも何か他の方法を考えなくてはと思いはじめ、数年後にはすぐに「お店はやめたほうがいい」というのが頭の片隅に浮かんでいました。
ただ、少々生々しい話をすると。
さきほど言ったように、私はスノーボードショップを引き継いで経営をはじめていたため。よく「会社を引き継いだ」なんて話をすると、「ラッキーボーイ」的に言われることがありますけど、当然ながら会社を買っています。
ということはその借金を返済しなくてはいけないので、簡単にお店をやめることができなかったのです。
■オンラインサロンを知った瞬間
「お店は続けられない」と感じていたものの、借金の返済は2018年まである。
じゃあその間に何か打開策が無いかと思い、ひたすら本を読むようにして、いつも何かいいアイデアは無いかと考えていました。
そんなときに知ったのが「オンラインサロン」という言葉。
そこには「住んでいる地域関係無くオンライン上でコミュニケーションを取り、集まった仲間と色々なことにチャレンジしている」そんな場所があるということが書いてあり。早速そのサロンの紹介ページを見ると、多くの人が集まり色々なことに挑戦している姿が写っていました。
この瞬間に、
これだ!!
と、まさに稲妻が走ると表現してもいいくらいに、自分が求めていたものがあったことに衝撃を受けたと同時に、すぐに「これをやりたい!」という気持ちが湧きました。
「住んでいる地域関係無く」というのも魅力的で、私はスノーボードショップでコミュニティを作りたかったけど、結局はそのお店の地域に住んでいる人にしか届けることができない。
でも、私はブログを日常的に書いていたので、全国に私の存在や発信に共感を持ってくれる人がいるといのは分かっていた。なのに何のアプローチもできないというのがもどかしいと思っていたので、まさにこのオンラインサロンというものはピッタリだと思った。
これを知ったのが、あと1年で返済が終わる2017年のときで、返済が終わったらお店をやめてオンラインサロンを運営しようと決心していました。
■後悔
2018年に借金を返済すると、2019年の4月に解約届を出し、2019年10月末にスノーボードショップを閉店させました。
いま後悔していることと言えば、なぜその後すぐにオンラインサロンを始めなかったのかということ。
というか閉店をさせると確実に決まった時点で動き出しておくべきだった。
オンラインサロンというものを知って以来、それなりに運営方法など調べていたけど、実際にやるとなると何から手をつけていいのか分からず。お店を閉めるときはバタバタしていたし。閉店してすぐにシーズンが近づいていたので、このシーズンが終わったらオンラインサロン開設の準備しようくらいの気持ちでした。
しかし、皆さんご存知の通り、2019年の年末あたりから「コロナ」という言葉を聞くようになると、アッという間に自粛ムードが漂い。私も3月に予定していた試乗会をキャンセルすることに。
「自粛」で思い出されるのは東日本大震災。
あのとき私は会社経営をはじめてすぐの頃だったので、何をどうしていいのか分からず、後手に回ってしまった記憶がある。
今回のコロナもどうなるか分からないし、自粛ムードが漂い始めた。でも東日本大震災のときに得た教訓は、止まってはいけないということ。可能な限りで動き続けなければまた後手に回ってしまう。
そこで「いますぐやるしかない」と、ちゃんとした準備もできていないまま「オンラインサロンはじめます!」という告知と募集をはじめました。
■教訓
いまとなってはあのタイミングがよかったのかどうか分かりません。
コロナによって加速した「オンライン○○ブーム」に乗って苦し紛れにはじめたと思われてしまったらしく、それまでの思惑とは違う方向に行ってしまった。しかしその反面、オンラインサロンというものが世間にも知れ渡ったきっかけににもなったので、興味を持つ人も増えたというのもあります。
どちらが良かったのかは分かりませんが、このときのことを教訓にするなら「やりたいと思ったことはすぐにやれ!」ってことですね。
そんな感じで、見よう見まねでオンラインサロンを開設するとすぐに運営方法を勉強しようと。オンラインサロンを日本で最初に広めたと言われる堀江貴文さんのサロンや、会員数日本一を誇るキングコング西野さんのサロンなど。勉強するなら日本のトップから学ぼうと、マネできるものは何でも盗んで自分のサロンにも反映させながら、なんとか軌道に乗せようと必死に運営をしていました。
ただやはり、コロナ禍によるオンランブームが起きれば悪い事を考える奴が出てくるもので。すぐにオンラインサロンを語った詐欺が横行し。さらには、ブームに乗ってたいした勉強もせずにオンラインサロンを開設する人もいて、そのずさんな運営方法でイメージを悪くした人も多い。
少なからず私も「怪しい」とか「名取が金儲けに走った」などと嫌なことを言われることもよくあったし。あれだけ仲良かったのにあっさりと私の近くから離れていく人もいました。
■絶対に
そもそもオンラインサロンというものは、同じ趣味嗜好の仲間で集まり交流を広げようというものであり。有料にしている理由は外部からの心もとない意見や誹謗中傷リスクを避け安全に楽しむためで、むしろ無料のコミュニティよりも健全なものだった。
私はオンラインサロンというものの起源もちゃんと調べていたので、この仕組みは「絶対に多くのスノーボーダーにとって必要な場所になる」と信じていたし。これがスノーボード業界を盛り上げるきっかけにもなると信じていました。
何でもそうですけど、活性化させるためには必ず人の力というものが大事で。人を集めるためにコミュニティ(居場所)が必要なんです。
例えば、地域で考えたとしても、隣同士誰が住んでいるかも分からず、全員がバラバラに過ごしていたらその地域は発展しにくいだろうし、マナーや治安も悪くなるでしょう。
でも隣近所が手を取りコミュニティがしっかりしていれば、地域が活性化するし、マナーや治安も守られるのではないでしょうか。
例えが良かったか分かりませんが(笑)
でも、地域が活性化したらそこに住んでいる人達だってより充実した生活が送れるようになると思います。
だからスノーボードを楽しみたい人にとっても、コミュニティを作るということがとても大切で。それは多くのスノーボーダーにとっても必要なことだと信じていたのです。
そのコミュニティが昔はスノーボードショップがになっていたけど、残念ながらスノーボードショップは激減し。その代わりに、いまはオンラインで簡単につながりコミュニケーションと取って情報交換しながら楽しめる場所があるわけですから。
何度も言いますけど、
「必ず多くのスノーボーダーにとって必要な場所になる」
そう信じています。
■ルールやマナー
いまSNS等で、スキー場のマナーやルールについて議論しているのをよく見かけます。おそらく昔からあったことだとは思うけど、情報が伝わりやすくなったので可視化されたというのもあるかもしれません。
とはいえ、私も30年ほどスキー場に通っていますけど、近年マナーの悪さは目に付きます。
色々な原因があるとは思いますが、そのひとつがコミュニティが無くなったからだと思っています。
昔はスノーボードをはじめると言ったら、スノーボードショップに行くしか手段がなく。そしてお店に行けば「こういうことはしちゃいけない」とか、スキー場でのルールやマナーについても教えてもらいましたし。上達したいなら、お店のスタッフやライダーさんなんかが滑りを教えてくれました。
でもいまは、コミュニティの場でもあったスノーボードショップはほとんど無くなり。お買い物はインターネットでして、都合の良い情報だけを見て簡単にスキー場に行ってしまうから、ルールやマナーを知らない人が増えているのではないかと思っています。
だからそういった意味でもコミュニティは絶対に必要な場所なんです。
■もっと増えてほしい
少々長くなりましたが、そろそろ〆に向かいたいと思います。
先日もブログで書きましたけど、今回私の運営するオンラインサロン「スノーボードサロンFORWARD」がDMMさんから評価を頂くことができ。
現在100名ほどのメンバーさんが在籍し、初心者から上級者まで、それぞれがこの場所を利用して楽しんでいる姿を見ると、信じていたことが間違っていなかったと確信を持てるようになりました。
ただ、問題はこれからです。
まだスノーボード業界にはオンラインサロンという文化が無く。何人か運営されているようなことは認識していますが、やり方が違ったり上手く行っていない様子も見れます。
こんなことを言っては生意気ですけど、スノーボード業界でここまでオンラインサロンを大々的に運営し、成長させているのは私くらいしかいないと思います。
そして、今回お伝えしたように、コミュニティが活性化につながるのは間違いないと自信を持って言えるようになりました。
だから私としては今後こういったコミュニティ(オンラインサロン)を増やして行きたいんです。
はっきり言って、スノーボード業界で私なんかよりも影響力のある人は沢山いるじゃないですか。そんな方達にもぜひオンラインサロンを作ってほしいです。
よく、「スノーボード業界を盛り上げたい!」と言っている人を見かけます。それはそれですごく良いことだと思いますけど、じゃあ何をしているのかと見ると、スノーボーダーを集めてイベントをしたり、「スノーボードの魅力を伝えてます」みたいな感じ。
それはそれでいいことだとは思いますけど、
本気でスノーボード業界を盛り上げたいのならオンラインサロン(コミュニティ)を作ってほしいです。
継続的にスノーボードを楽しめる居場所や環境を作ってこそ、スノーボード業界を盛り上げることにつながります。
個々で好きなことを言っていても何も変わりません。人が集まることで大きな力が発揮できるようになります。
昔しスノーボードショップが沢山あって、「俺は○○のお店に通ってる」「俺は△△のお店に通っている」というような感じで。これからは、「俺は○○のサロンに入ってる」「俺は△△のサロンに入っている」という時代が来てほしいと思っています。
そしてそういう場所で、初心者にはルールやマナーを教え、スノーボードをもっと楽しみたい人をつなげて活性化させてもらいたい。
さすがに今は「オンラインサロン=怪しい、詐欺」なんてイメージも払拭されたでしょうから、ぜひやってほしいです。
私も引き続き頑張ってオンラインサロンを大きくして、少しでも多くのスノーボーダーが楽しめる場所を作って行きます。
もし私に手伝えることがあれば言ってください。
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