「スノーボードは脚力」と言いう人が上達しない理由

毎週木曜日21時からYouTubeライブを使って「スノーボーダー向け何でも相談室」というのをやっています。
これをはじめたきっかけは、勉強のためです。
スノーボードの仕事をしている以上、いまみんながどんなことを思っていて、何に疑問を持っているのか。それを知ることで私自身とても参考になることがあります。
よかったらぜひ参加してください。

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■スノーボードは脚力じゃない

YouTubeライブで質問コーナーをしていると、やはり「滑り方」についての質問を頂くことがあります。

私は別にプロスノーボードの資格を取ったわけじゃないですし、それこそ検定と言われるものは受けたことすらありませんが。長年スノーボードをしてきた中での「滑り方」についての持論はあります。

とはいえ、滑り方というのは人それぞれ考え方が違うし。ときに意見がぶつかり合うこともあるので、私はあまり公の場で滑り論みたのを語るのはしないようにしています。

というのも、昔しから一貫して、

「スノーボードは脚力じゃない」

と言っているんですけど。

これを言うと、
「そんなことない!」
「スノーボードは脚力でしょ!」
という意見が返ってきます。

もちろん脚力があったに越したことはないです。

でもそうじゃないんだけどなーと思いつつも、私も正直言って具体的にどう説明をしていいのか悩んでいたところに、室伏広治さんのインタビューを見て納得できる答えがありました。

この動画のインタビューから室伏広治さんの言葉を抜粋します。

基本的にスポーツや運動をやるっていうと筋肉に力を入れると思ってますけど、力を抜く方が難しいっていうことをまず教えるべきです。
リラックスっていうと方が崩れるみたいになっちゃうんですけど、そうではない。
最低限の力、型を保つだけの力さえ使っておけば、あとは全部自動的に、適応に応じて自然に発揮する能力を持っている。
それを自分で邪魔をして、発揮しないように一生懸命しちゃってるわけであって、ニュートラルな身体の使い方を学べば絶対に何でも向上するのではないかなと思いますし、身体も壊れないんじゃないかと思います。

ようするにパフォーマンスを発揮するためには、いかに力を抜くかというのが大切だと。

■ボールを遠くに飛ばすには

そしてこの話を聞いて思い出したんです。
私は学生時代ずっとサッカーをしていたのでそれで例えると。

ボールを蹴って遠くに飛ばそうとしたとき、強く蹴ろうとおもいきり力を入れるとボールは遠くへ飛びません。

これはなぜか?

脚を振り子のようにイメージしてください。
ボールを遠くへ飛ばすなら、脚を大きく後ろにあげて振り下ろした方がボールに強いインパクトを与えることができます。

でも遠くに飛ばそうと脚に力が入ると、脚を大きく後ろに振りかぶることができずに、振り子が小さくなって脚の力だけでインパクトを与えるので遠くに飛びません。

なので、脚に力を入れずに後ろに大きく振り上げ、インパクトの瞬間だけ力を入れて振り切るというのが正解です。

学生時代の私です(笑)

これってゴルフなんかもそうですよね。
飛ばそうと思うと体中に力が入って、体の旋回がなくなり腕の力だけで飛ばすことになるから全然飛ばない。

でも力を抜いた方が体がしっかりと旋回して、クラブを大きな振り子のように使ってスイングした方が遠くへ飛ぶ。

しかも力が入ってしまうと体がブレやすくなるので、クラブの軌道もブレてしまいボールが曲がってしまいます。

ゴルフなんかは結果がわかりやすいので、「飛ばそう」と思うとどうしても力が入ってしまい、力を抜くというのがいかに難しいか痛感させれます。

ようするに必要なところにだけ力を入れて、あとはリラックスすることで体の動きを邪魔しないようにするということですね。

■スノーボードは?

「スノーボードは脚力じゃない」というのをイメージしやすくするために、私は「脚はサスペンションだと思って」と言っています。

ようするに、脚は力を抜いて柔らかくしておかないとデコボコが吸収できません。

でも「スノーボードは脚力」と思っている方は「硬いサスペンションの車」をイメージするとわかるように。
ガチガチに力が入っているからデコボコを吸収できずに荒れたところでの対応力が落ちます。

さらに言うと、脚に力が入っているということは、たいてい全身にも力が入っています。

するとまさに「自分で邪魔をしてる」状態。

無駄に力が入っていると体の動きが制限されてしまうので、素早い動きができなくなってしまう。
そうするとスノーボードは自然に落下して行くものなので、体の反応が遅れてしまえばボードと体のズレが生じて上手くボードをコントロールできなくなってしまう。

ということだと思います。

とはいえ、「力を抜く方が難しい」から上手くいかないんですよね。

でもまずは意識を変えるところからやってみてはどうでしょうか。

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