実力が無いのに無理をするより、成長と共に大きくなるのが理想かも

こんにちは。
スノーボードメーカーとしてボードの企画、開発、運営をしたり。コミュニティサロンを運営したり。DOMINATOR WAXアドバイザーなんてこともしている名取です。
ブログではスノーボードに関する情報や仕事のこと日々思ったことを書いています。

◆性格

昨日のブログに、私が運営しているスノーボードサロンについて書きましたので、今日は追加でもう少しこのサロンについて記しておこうと思います。

スノーボードサロンは2020年3月に立ち上げてから3年半が経ちまして。改めてこのコミュニティを作ろうと思った経緯をお話ししますと。

子供の頃からサッカーをしていた影響もあるのかもしれませんが、とにかく「チーム」で目標に向かって動くとか、仲間と協力して何かを成し遂げるというのに喜びを感じていたし。
小学生のときから、学級委員長とか行事ごとがあるたびに○○長みたいなことをいつも先陣切ってやっていたので。根がそういう性格なんだと思います。「仲間を集めてなにかをする」=「コミュニティ作り」が好きだし。何かを成し遂げるためには仲間が必要なんだということをよくわかっていた。

◆裏方仕事

スノーボード業界に入ったきっかけはSURGEというボードのブランドを立ち上げから手伝わないかと誘いを受けたところから、メーカー業としてスタートしました。

仕事をしていると、この辺は変えた方がいいんじゃないかとか、こういうことをちゃんとユーザーさんに伝えたい。
そんな気持ちがあっても、基本的にメーカー業は裏方仕事と言うか。直接ユーザーさんと話しをする機会は少なく。話す相手と言えばお店のスタッフの方になるんだけど。こっちの想いがダイレクトにユーザーさんに届くということはなく。場合によってはお店さんの都合で本来伝えたいことが曲げられてしまうこともあった。

そんなとき、「スノーボードショップをオープンさせたいのでアドバイスしてもらえないか」という声がかかり。
ようするに、SURGEブランドを広めるため。ちょっと大げさではありますが、日本中のスノーボードショップに飛び込み営業を散々していたし、試乗会もゲレンデだけでなく室内ゲレンデも含め日本各地でやっていた。
その経験を買われて、「これからスノーボードショップ作るならどんなショップにするのがいいのか?」というアドバイスをしてほしいとのことでした。

◆メーカー業からお店とブランド立ち上げ

最初はアドバイスするだけと思っていたけど、少しずつあれも手伝ってほしい、これもやってほしいと言われ。それはそれで必要とされていることが嬉しかったしやりがいもあった。
メーカー業をしながらでしたけど、オープンしてからも空いた時間を使ってショップの仕事を手伝っていて。店頭に立って接客もしていたし、お客さんを連れて滑りにも行っていたし。
それまで裏方仕事ばかりだったので、直接お客さんと交流できるのが楽しかった。

すると、お店のオープンから1年が経ったころ。オーナーさんから「お店を引き継いでくれないか」という話をもらい。嬉しかったけど、そのときは他に目標があったので一旦お断りすることになりましたが。その2年後の2010年に会社ごと引き継いでショップを経営することになり。そのとき同時にFOSSIL SNOWBOARDを立ち上げました。

◆お店がコミュニティの場だった

メーカー業を辞めショップを引き継ぐことにした理由はいくつかあるのですが。そのひとつが、仲間(コミュニティ)が欲しかったから。
さきほども言ったようにメーカー業は裏方作業がメインで直接お客さんと交流する機会がない。

それに、メーカー業をしていくなかで、スノーボード業界のこういうことを変えたい、スノーボーダーに向けてこういうことを伝えたいという思いがあったので。それなら直接お客さんと交流できるショップの方がいいという判断でした。

というのも、1990年代から2000年初頭くらいは、まだインターネットも全然普及していなしSNSなんてもってのほか。だからコミュニティの場と言えばお店だった。お店に情報が集まり、お店に仲間があつまり、そこで仲良くなった仲間で滑り、切磋琢磨して上達をする。
それがお店の役割でもあった。

そういうのを見て育った私としては、当時はまだ「コミュニティ=お店」という考えだったので。お店でコミュニティを作り、仲間が増えれば自分の考えが広まるのではないかという気持ちもあった。

◆リアルのコミュニティ崩壊

しかし、私が2010年にお店を引き継いだタイミングは。インターネットが急速に普及しはじめた時期で、その原因のひとつになる2007年に発売されたスマートフォン(iphone)が世の中の仕組みをガラリと変えた。

誰もがポケットにパソコン(スマートフォン)を入れいつでもインターネットにアクセスできる状況になると同時にSNSの普及がリアルのコミュニティを崩壊した。
お店に行かなくても買い物はできるし情報は手に入るし、どこにいてもスノーボード仲間と交流できるようになり。一瞬にして「コミュニティ=
=お店」という構造が崩れました。

そうなるとコミュニティが作りたくてお店を選択したにもかかわらず。ただただお店の業務をこなすだけの毎日では意味がない。
それにお店は地域性が限られてしまい、動きたくてもその場からなかなか離れることができなかった。

◆そんなときに知ったのが、「オンラインサロン」という言葉

それを知ったのは2017年だったので、まだ世間ではオンラインサロンなんて言葉はまったく使われていなかったけど。
オンラインを使ってコミュニティを作り、そこで集まったメンバーで色々なことに挑戦している。オンラインだから住んでいる地域なんか関係ない。

それを見たとき、すぐに「これだ!」と思いました。

お店がコミュニティの場でなくなってきたこともそうだし。何より「住んでいる場所が関係無い」というのにも惹かれた。
やはりお店は場所が決まっていて、せいぜい半径30㎞くらいのコミュニティ。
それが、日本全国どころかインターネットさえつながれば世界中どこにいてもコミュニティが作れるなんてそれまで想像もしていなかった。

◆コミュニティが作りたかった

とはいっても、オンラインサロンなるものをはじめるにしても何をどうしていいのか分からない。でも自分なりに調べながらその頃にはお店をやめるという決心はしていた。
お店が好きで来てくれていた人には申し訳ないけど。やっぱり私はお店をやりたかったわけじゃなくて、コミュニティを作りたかったんです。

だから私としてはお店をやめることに抵抗はなく。どうやったらオンラインサロンを作れるかということを考えるようになり。もちろんただお店をやめるだけでは生活ができないけど、強みとしてはブランドも持っていたこと。そしてタイミングよくDOMINATOR WAXアドバイザーとして契約できたこと、さらにお店をやめるならと他のメーカーさんの仕事を手伝ってくれないかと誘いをうけたこと。
色々なタイミングが重なったこともあり、2019年10月でお店を閉めました。

◆まずトップを狙った

いざオンラインサロンをはじめるにしても何をどうしていいのか、何が正解のかも分かっていなかったので、とにかくできることからはじめ。同時に自分もオンラインサロンに入り勉強した。

オンラインサロンという仕組みを最初に構築したと言われる堀江貴文さんのサロン。会員数日本最大のキングコング西野さんのサロン。会員数日本2番目であり、本人もサロン立ち上げ前に堀江さんのサロンで学んだと公言していたオリラジ中田さんのサロンと、とにかく勉強するならトップを狙った方が早いと思いそれぞれ入会して勝手に勉強させてもらった。

◆周りの声は無視するしかなかった

このタイミングがよかったのか悪かったのか。私がオンラインサロンをはじめたのが、コロナが流行り始めた直後だったこと。
コロナの流行により、「オンライン○○」というのが爆発的に広まったと同時に、「オンラインサロン=稼げる」という安易な考えを持つ人が現れると。お金の匂いがするところには詐欺がいるというくらいに、あっという間に詐欺の餌食にもなりイメージが悪くなった。

実際に私も「スノーボーダー向けのオンラインサロンはじめます」と公表をしたときは批判の声もあったし。「名取が金儲けに走った」という感じで言っている人もいたみたいで。かなりの逆風だった。

とはいえ、全てが悪くなったかというとそうでもない気がしていて。「オンラインを使って何かをする」という流れができたというのは間違いないと思う。

何にせよ私はやると決めていたので、誰に何を言われようとこの「スノーボーダー向けオンラインサロン」を成功させるべく周りの声は無視するようにしていた。

◆逓減

2023年9月のいま。もはや「オンラインサロン」という言葉を知らない人はほとんどいないと思う。この3年半のあいだにとんでもない数のオンラインサロンが立ち上がっているのもその証拠。

さらに「サブスクリプション」という言葉もいまでは誰でも知っているだろうし、おそらくサブスクリプションをまったく利用していない人はいないのではないかと思う。

そんなサブスクリプションについて最近話題になっているのが「逓減」という言葉。(逓減=徐々に減ること)

サブスクリプションというのは入会する人もいれば、退会する人もいる。運営側としては退会数より入会数が多い方がいいに決まっているわけで。入会者を増やす努力をするわけですけど。
ある一定のところで入会数と退会数が同じになってくるときがきて。その状態になるとサブスクリプションは「逓減」するらしく。そうなるとよほどのことがない限り元に戻ることはないと言われています。

例えば、ネットフリックスなんかもコロナの巣ごもり需要で一気に会員数が増えたけど、入会数と退会数が同じになったところからあとは逓減を続けているとのこと。

◆続いているオンラインサロン

私も3年半前にオンラインサロンを立ちあげたときは、沢山の人に入ってほしいと思っていました。こういうことを言っても信じてくれる人は少ないですけど、私は別にオンラインサロンでお金儲けをしたかったわけではない。というか、お金儲けのためにはじめた人は間違い無く上手く行っていない。

オンラインサロンは色々な形がありますけど、上手く行っているサロンはコミュニティ型で、メンバーさんやサロンオーナーが目標に向かって動いていること。そしてその会費は目標に向けた活動資金として使われていること。
オンラインサロンが続いている理由はこれしかありません。

だからそもそもお金儲けしたいなら手を出すべきではないのです。

◆いま思えば

とはいえ、メンバーが増えないことにはやりたいことができない。だから最初のうちは、「もっと入ってほしい」「どうやったら入ってもらえるだろうか」なんてことを考えていたけど。最初の1年くらいは30人くらいで、2年目に40人くらいになって、3年目のいまは70人以上のメンバーさんがいます。

もちろんまだまだ大きくして行きたいと思っているし。本音を言えばもっと早く増えてほしかったという気持ちがなくもないですけど。「いま思えばこのくらいのペースだったからよかたのかも」と、思えるようになりました。

というのも、おそらくオンラインサロンというものを運営している人からしてみると。驚異的な退会率の低さだと思います。

さきほど言ったように、サブスクリプションといのは入会する人がいれば退会する人もいる。そしてその数が同じになった段階で逓減するのは確定だと言われています。

これまでのスノーボードサロンの退会数は、正確に数えてはいませんけどおそらくこの3年半で20名もいないと思います。

ということは入会数の方が圧倒的に多く、まだまだ逓減には程遠いサロンとして運営できているということです。
あざっス!

◆成長と共に

さきほどなぜ、「いま思えばこのくらいのペースだったからよかたのかも」と言ったのは。
もし、巣ごもり需要やオンラインブームに乗って会員数が爆発的に増えていたとしたら、いま間違いなく逓減の域に入っていたと思うんです。

だって、最初の2年くらいはサロンの運営に関しては試行錯誤だったから。何かをはじめてはやめ。またあたらしい提案をしてはやめ。という感じで何度もトライアンドエラーを繰り返している状態でしたから。(もちろんいまもトライアンドエラー繰り返していますけど)
それで逓減の域に入っていたら、イメージを取り戻すのって大変だったんじゃないかと思うんです。

だからサロンの成長と共にメンバー数が増えて行くというのが理想なのかもしれないです。

ぜひ興味のある方はこちらを覗いてみてください。
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