「スノーボードを作るときはどこからイメージするんですか?」/ 買うときも同じ順番でイメージしてください

こんにちは。
スノーボードの仕事をしている名取です。
ブログではスノーボードに関する情報や仕事のこと、そして日々思ったことやプライベートなことも書いています。

今日は、「スノーボードを作るときはどこからイメージするんですか?」という質問を頂いたのでその点についてお話しします。

スノーボードを作るときどこからイメージするのか?

なんかこれって、「絵を描くときにどこから描きますか?」みたいなことですよね。例えば人物を描く時に、目から描く人もいれば、顔の輪郭から描く人もいるじゃないですか。それって人によって決まっていると思うんです。
ただ、私は絵心がないので決まってませんけど(笑) スノーボードを作るときにどこからイメージするかというのはハッキリと決まっています。

それは、接雪長(雪面についている部分)からです。

もちろんその前に、どういうボードにするのか、どういう動きをするボードにするのか、どういう場所で使うボードにするのか。などのコンセプトを決めるというのが最初ですけど。いざそれを形にしようとするときは、ボードの上に乗った瞬間にどう感じるのかという雪面に触れる部分を最初にイメージします。

そして、雪面に着いている部分で言えば、縦の長さを表す接雪長と幅も関係してきますので、おおよその幅も接雪長と合わせてイメージしておきます。ただ幅に関しては、その後のサイドカーブ等でもきまるので、この段階ではおおよその幅を決めておくくらいでしょうか。

滑る順番をスペックで表すと

ボードが雪面に着く部分が決まれば、そこから有効エッジ、サイドカーブ、ノーズ幅、テール幅とサイドウォールスラントなんかも決めて行きますけど。

この辺は、滑るときの順番でイメージしています。

ようするに、滑るときはまずボードを履いて雪面の上に立ちますよね。そして、ボードを斜面に対して真っすぐにすると前に進みはじめる。スピードが出てきたので曲がろうと思ったら、ボードを少し立ち上げてエッジを引っ掛ける。そうするとサイドカーブに沿ってカーブしていく。
という感じでザックリな説明ですけど、滑るときの順番は。

①フラットな状態

②ボードを立ててエッジがグリップ

③サイドカーブに沿ってカーブ

これをスペックで表すと。

①フラットな状態=「接雪長」

②ボードを立ててエッジがグリップ=「有効エッジ」

③サイドカーブに沿ってカーブ=「サイドカットR」

あとは、これに対して幅をどうするか。テイパード(ノーズ幅よりテール幅を狭くすること)は入れるのか。そして最終的にボード全体の動きを決めるフレックスをどうするのか。この辺はどこからというよりかは全体のバランスを考えながら決めていくという感じですかね。

このようにまずは、ボードの上に立った状態からイメージするので。「ボードを作るときはどこからイメージするのか?」という質問に対しての答えは。最初は接雪長、そしてあとは滑る順番ということになります。

ボードを買うときにも意識して

これは、「ボードを作るとき」だけでなく。皆さんの場合であれば「ボードを買うとき」にも意識してほしいです。

ボードを買うときには何を見て選んでいますか?
古い話しで言えば「身長マイナス○○cm」なんて言われていて。でもこれままったくあてにならない、いい加減な基準だったわけで。これに関しては多くの人がもう気づいていると思いますが。
最近は、「全長よりも有効エッジを見た方がいい」なんてことをよく聞きます。
確かに、全長だけで判断するよりかはだいぶいいですけど。先ほど説明した通りに、有効エッジはボードを立ててからの話しです。
ボードを立ててからどれくらいの長さを感じるのかというのが有効エッジですから。
その前に、フラットな状態でどう感じるのかというところを見た方がです。
ということは、まずはボードの上に乗ったときにどれくらいの長さを感じるのかを示している接雪長。そして次にボードを立てたときに感じる有効エッジ。エッジがグリップしたあとどれくらいカーブするのか判断できるサイドカットR。という順番で見ていった方がいいです。
もちろんスペック表だけで判断できない部分もあるので、これが全てではありませんが。これは私も他のメーカーさんのスペック表をるとき、そのボードがどういうボードなのか判断する場合はこの順番でチェックします。

おおよそこんな順番で、

①接雪長
②有効エッジ
③サイドカットR
④ノーズ幅&テール幅(テイパードもチェック)
⑤ウエスト幅
⑥セットバック

▼現物が見れれば
⑥サイドウォールスラント
⑦フレックス

以上です!


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